たまりば

教育をメインに幅広いテーマで本の紹介,感じたことなど様々な情報を流して共有していく.文章中心の飾らないブログ.

頑張ります

にんです.

こんにちは,こんばんは.

さくらが咲き始めました.

 

…はい特にエピソードありません.早速行きましょう!

今日はこれです.最近発売されたやつですね.

 

Appleのデジタル教育

著: ジョン・カウチ,ジェイソン・タウン

訳: 花塚恵

出版社: かんき出版

発売日: 2019/03/18

メディア: 単行本

 

 こちらはAppleの教育部門初代バイスプレジデントであるジョン・カウチさんとハーバード大学の研究員であるジェイソン・タウンさんが共同で書かれたこれからのあるべき教育についての本です.

ジョン・カウチさんは2017年に学生の学ぶ力やモチベーション改善に関する最先端研究の支援のためにハーバード大学に属する研究機関に出資をし,ジェイソン・タウンさんはそのハーバード大学にてモチベーション・学習・テクノロジーに関する調査を行っているそうです.

そのため,この本でも「モチベーションの重要性」は強調されていました.私自身も学習モチベーションに注目しているので,大変興味深く読ませていただきました.

 

今回は「長期的」がキーワードな気がします.

”目の前のモチベーションを上げるためにパッチのような処置を行うだけでは短期的な解決にしかならない.”これはエジソンの映画教育を例に挙げています.

学習者への期待に関しても考え直す必要がありそうです.すぐに成果が出ることだけを期待してはいけません.短期的にはいくら失敗しても構わないのです.

従来のテストによる評価方法だけでは,「成功」を測るのには不十分で,これはさらに外発的モチベーションを誘発します.やはり長期的に必要なのは内発的モチベーションです.

 

また,Appleなのでやはりテクノロジーを大いに使って例を示されています(タイトルもデジタル教育ですものね).デジタルネイティブな子供たちはやはり夢中になっていろいろ試し熱中します.学習者には十分なテクノロジー使用環境を提供し,それぞれのペースでそれぞれに必要な学習を進めるべきだとします.平等ではなく公平に,”公平に…行こうぜ”

ただ,テクノロジーの有用性に関してはすごく説得力があり読んでいるこちら側もワクワクしたのですが,逆にデメリットのようなものを深く言及していらっしゃるところはあまり多くありませんでした.ここは両者の視点で議論を聞きたかったですね.

 

いかに子どもたちに学んでいることへの関連性を持たせ,学習モチベーションへと結びつけるかが授業設計に重要な点です.そのためには教員の方々の役割を大きく変える必要があるのです.できるだけ教員と学習者の距離を近くする必要があります.

これには教員の絶対数を増やすことも重要なポイントです.1人の教員に対し30人以上の子どもを全員成長させようとするのはかなり厳しいものがあります.ただテクノロジーの力で補うことは可能でしょう.

今の小学校教員の方々は子どもたちとの関わりを求め,子どもたちの成長を切に願うものの,他の業務や決められたカリキュラムをやりきらなければならず思うように実現できないのではないのでしょうか.

新しい教育は学習者を中心とします.がちがちに固まったカリキュラムを教える能力はもはや必要でなく,子供たちの興味や可能性を見極めることが重要になります.有用なツールを提案することは外部からでも可能ですが,この能力は現場にいらっしゃる方だけが可能なことです.

これは先ほどのような動機で勤めていらっしゃる教員の方々にとってはむしろ楽しい業務になるのではないでしょうか.教育の形が変われば教員も増える可能性はある,どこかでパラダイムシフトが必要なのではないでしょうか.

未来の宝の成長を願うのはみな同じなはずなのに,そのための教育が過去の時代にとどまっているのはもどかしいものです.頑張りましょう!

 

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