たまりば

教育をメインに幅広いテーマで本の紹介,感じたことなど様々な情報を流して共有していく.文章中心の飾らないブログ.

お久しぶりです

にんです.

こんにちは,こんばんは.

ブログをはじめてみたものの,毎日続けるのは難しいですね.

2日で終了しました...さすがに早すぎですね笑

いやー忙しいですね..(嘘である...!)

 

お久しぶりの今回は,先日読み終わった本について印象に残ったことをメモ代わりにでもお話させてください.

↓以下の本です.興味あったらぜひ買ってみてください.

 

学習意欲をデザインする: ARCSモデルによるインストラクショナルデザイン

著: ジョン・M.ケラー,John M. Keller,鈴木克明

訳: 鈴木克明

出版社: 北大路書房

発売日: 2010/07/01

メディア: 単行本

 

さてこの本はタイトルにもある通り,「学習意欲をデザインする」ことをコンセプトとしています.そのための動機付け概念や理論,並びにシステム的な学習意欲のプロセスとツールを提供することが目的となっています.

”動機付けとは何か”や”ARCSモデルとは何か”の説明,手順を実行するのを手助けするワークシートの提案とプロセスの解説などをされています.

 

まず,ARCSモデルとは学習意欲の理論と設計プロセスを示すものです.注意(Attention),関連性(Relevance),自信(Confidence),満足感(Satisfaction)の頭文字をとったものでそれぞれは関連する動機付け概念や理論をまとめる役割を持っています.これらにはそれぞれ下位概念が含まれるのですが,それは置いておきましてこの概念を常に頭に置きながら以下の学習意欲のデザインステップが提案されています.

1.科目の情報を得る

2.学習者の情報を得る

3.学習者を分析する

4.既存の教材を分析する

5.目標と評価項目を書き出す

6.方策の候補を書き出す

7.方策を選択・設計する

8.教授設計に組み込む

9.教材を選択・開発する

10.評価・修正する

 このステップそれぞれにおいてワークシートを作成しデザインを進めていきます.これをすべて追っていくのはかなり重いので本の終盤では簡略化したものも紹介されています.

 

私が特に興味をもったのは本の序盤で書かれていた「好奇心」に関する概念的基盤についてです.好奇心とは何かについて「パンドラの箱」を導入に説明が始まります.

好奇心の心理的研究では大まかに3つの見方があるといいます.

・動因理論(drive theory)

・不適合理論(incongruity theory)

・能力(competence)の概念をベースとした理論

動因理論は,好奇心が嫌悪や不快感から覚醒状態を引き起こすものであり,それを解消するために行動を起こすという考え.バーラインさんは好奇心を2×2に分類(知覚的好奇心/認識的好奇心・特殊的好奇心/拡散的好奇心)しました(Berlyne, 1965).

不適合理論も,好奇心は適度であれば不快ではないが,度が過ぎると嫌悪感を抱く.環境における不適合状態が刺激となり起こるとしています.フェスティンガーさんの認知的不協和に関する研究(Festinger, 1957)が当てはまります.

3番目は好奇心は自分が置かれた環境において何かを成し遂げたいという欲求に付随した人間の特質だとする考え方です.これは動因というより動機としての好奇心に基づいており,ある環境において有能でありたい,達成感を得たいという人間の欲求に焦点を当てています.モーさんとモーさん(二人いるんですかね笑)は以下の場合に好奇心が具現化するとしました(Maw & Maw, 1964).

・環境内の,新しい・不思議な・不調和な・ミステリアスな要素に,向かって行ったり,触ってみたりすることで好意的に反応したとき.

・自分自身や周囲の環境をもっと知りたいというニーズや欲求が表に出たとき.

・新しい経験を求めて周辺を見渡したとき.

・刺激物をよりよく知るために調査や探査をし続けたとき.

 

私は今まで,3番目のような好奇心をイメージすることが多くどちらかといえばポジティブな印象を持っていました.なので心理のバランスの崩れや矛盾によって行動への動機が高まるという視点は面白いと思いました.またバーラインさんの分類においても新しいものに対する好奇心やその一方で退屈からくる好奇心など,広い視点が感じられ動機付けには多面的な方略が必要(可能)であると感じました.

 

 

今回紹介したのはほんの一部です.私もすべてを理解して読み進めるのは結構大変で(読解力不足...),気が付いた時の振り返りが必要だと思っています.「内発的動機づけをいかに進められるか」.今後もテーマに考えていきます.

 

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